マンモグラフィ
 当院では、他の病院から紹介された患者さんや乳房の定期診察をしている患者さんなど、年に約900件のマンモグラフィ撮影を行っています。撮影はすべて女性の診療放射線技師が担当しており、4名が健診マンモグラフィ撮影認定(日本乳がん検診精度管理中央機構)を取得しています。

 2022年8月、乳房撮影装置がGE社製「senographPristina」に更新されましたので紹介します。

GE社製「senographPristina」の写真 今までの画像(いわゆる2D)のほかにトモシンセシス画像(いわゆる3D)を撮影することができるようになりました。装置の上の部分が動きながら撮影します。

 乳房全体を1枚の画像に写していた2D画像と違い、3D画像は乳房を約1㎜の厚さの断層画像で観察することができ、より細かい部分の観察が可能になりました。石灰化の範囲や、腫瘍の形が明瞭に、立体的に観察できることで、診断に非常に役立ちます。

 マンモグラフィは痛いというイメージがあるかと思いますが、これは、乳房を圧迫して撮影するためです。なぜ圧迫するのかというと、乳房を鮮明に観察するため、呼吸による動きを抑えるため、被ばくの量を減らすためです。当院の装置では一度の圧迫で2Dと3Dを同時に撮影することができます。もし、痛みについて不安があれば、担当の診療放射線技師にご相談ください。

 マンモグラフィ1枚当たりの被ばくの量は乳房の大きさによりますが、2D、3D共に1mGy~1.4mGy程度です。2Dと3D両方撮影しても1方向当たり3mGy程度です。これは2020年の診断参考レベル(2Dは1.4mGy、3Dは1.5mGy)とほぼ同等です。マンモグラフィに使用するX線はエネルギーが非常に弱いので、乳房以外の被ばくは、ほぼありません。被ばくについて心配なことがあれば、撮影担当の診療放射線技師もしくは、当院の被ばく相談担当へご相談ください。