包括的がんセンター超音波検査室(エコ―室)
D棟2F(包括的がんセンター)、中央にある超音波検査室(エコ―室)を紹介します。

 当検査室は原則予約制です。自動再来機にて受付していただければ、検査時には呼び出し機にてお呼びいたしますので、直接エコー室にお越しください。

検査の担当者は中央検査部所属の臨床検査技師5名、そのうち2名は、超音波医学会認定の超音波検査士資格を取得しており、さらに1名は日本乳がん検診精度管理中央機構認定試験でA判定も取得しています。

 超音波とは、ひとの耳には聞こえないほどの高い周波数の音をいいます。また、超音波検査とはからだにあてた超音波が臓器にあたって反射する性質を利用して画像にする検査法です。検査の対象は、乳腺はもちろん、甲状腺や頸部のリンパ節、耳下腺や顎下腺、腹部臓器(肝臓、胆のう、腎臓、膵臓など)です。心臓と血管についてはA棟のエコー室にて行っています。

検査によって、病気の有無や、しこりがあった場合には大きさや形状、内部の状態などがわかります。また、治療中に定期的な検査を行うことで、治療の効果を知ることができます。
文責:玉木 秀子
超音波装置ARIETTA850の写真
 検査装置は通常の検査に4台、持ち運び用に1台、病変内部の血流状態を知るドプラー機能や、エラストグラフィ機能付きの高性能モデルの超音波診装置を備えています。
 エラストグラフィとは組織に力が加わったときに起きる硬さによるひずみの違いを利用して画像化する技術です。従来の超音波検査ではわからなかったしこりの硬さを色で判別し、ひずみが大きい部分を赤系の色、ひずみの小さい部分を青系の色で表示します。さらに組織の平均のひずみを緑色で表示し、周囲より硬い部分は青く色付けされ識別が容易になります。
エラストグラフィのシミュレーションの写真
また、乳房組織においては、病変の悪性度とその硬さには相関があることが知られており、腫瘍の良悪性診断に役立ちます。

 このように超音波検査は、体外から超音波を用いるため、苦痛はなく、安心して検査することができます。