研究
現在進行中の臨床研究・臨床試験
1.医師主導治験:Triple negative乳癌におけるエリブリンメシル酸塩を用いた術前化学療法多施設共同無作為化第Ⅱ相臨床試験(JBCRG-22)

(グループA:65歳未満でHRD陽性BRCA変異ありが既知)
2.NRG Oncology B51:Breast Cancer Radiation Therapy Trial
NRG Oncology
ネオアジュバント化学療法前の腋窩リンパ節陽性がネオアジュバント化学療法後に病理学的陰性に転じた患者を対象として、乳房切除後胸壁及び所属リンパ節の外部放射線治療、並びに腫瘤切除後所属リンパ節放射線治療を評価する第III相無作為化臨床試験
当院は米国 NCI 傘下の多施設共同臨床試験グループである NRG oncologyの 主幹施設として日本の国際臨床試験を主導しています。
3.拡散光イメージングを用いた薬物療法における乳がん微小環境の変化の多面的計測
(平成29年-平成31年:研究代表者佐伯俊昭)
ベッドサイドで測定できる
ハンドヘルドプローブの開発
がん微小環境の光学的計測
近赤外線を利用した乳房の生体機能を測定する低侵襲医療機器を開発します。乳がんの早期診断や抗がん剤の治療効果判定などに応用する臨床研究に取り組んでいます。
4.アプリを利用した抗がん剤副作用のセルフレポートシステム
フリックカルテⓇ Copyright 埼玉医大国際療センター乳腺腫瘍科
タブレット端末やスマートフォンに搭載するモバイルカルテを使用し、抗がん剤投与中のがん患者さんの副作用をリアルタイムに監視するシステムの開発を行っています。
原発性乳癌におけるマンモトームⓇ標本を用いたマンマプリントⓇ(70遺伝子アッセイ)術前解析の試み
 近年の乳癌領域では、腫瘍の進行度や病理学的情報のみならず遺伝子学的情報までも治療方針に活かそうという流れが急速に進んでいます。遺伝子診断キットのひとつとして市販されているマンマプリントⓇは、通常、確実な組織量を確保するために手術後の標本を用いて解析を行います。我々は、より大きな組織量を採取できるマンモトームⓇ生検針を使うことで、術前にマンマプリントⓇ解析を行うことが可能かどうか検証を行いました。その結果、87.5%という診断成功率が示され、今後、患者さんにとって有益な治療方針を術前のより早い段階で検討できる可能性が示唆されました。
MammpaPrint®は1600名以上の乳癌患者さんの乳癌組織を基に網羅的解析を行い、従来の臨床病理学的リスク評価とは別に、患者さんの再発予後を低リスク群と高リスク群に分類をすることができます。
次世代シーケンサーを用いた乳癌における薬剤感受性・耐性分子の探索的研究
次世代シーケンサーの登場により、従来のより多くの遺伝子情報を短時間に解析することができるようになりました。我々は患者さんから同意を得て採取した乳癌組織の生検・手術材料を用いて、予後を予測する遺伝子群や治療に直結する遺伝子群を探 しています。これまで我々は、ホルモン受容体陽性乳癌のホルモン治療薬に対する治療効果の高いがん遺伝子、抵抗性を示すがん遺伝子を同定することに成果を上げてきました。現在、次世代シーケンサーを駆使した新たな研究を進めています。
機能的画像装置を用いた乳がんイメージングの臨床応用
 がんのイメージングの研究はCTなどの形態的画像診断からfMRIやFDG-PETといった機能的画像診断へ進化しています。
我々は、乳がんの機能的イメージングとして、FDG-PETの研究や、可視光や近赤外光を利用した拡散光スペクトロスコピー(Diffuse Optic Spectroscopy;以下DOS)の研究に取り組んでいます。
Functional PETを用いた乳がんイメージング
 FDG PETは全身スキャンによりがんの広がりを一度に診断できるだけでなく、がんのグルコース代謝活性を評価することができます。これを応用して、腫瘍の悪性度診断や、リンパ節転移診断、抗がん剤や放射線療法の治療効果判定など、がんの代謝的変化から診断することが可能となりました。
  我々は、さらにFMISO-PETとFES-PETの臨床研究を開始し、乳癌の低酸素イメージングの研究に取り組んでいます。
光イメージング
FDG-PET  (代謝イメージング)
FMISO-PET(低酸素イメージング)
FES-PET(エストロゲン受容体イメージング)
FDG-PETによる術前化学療法の治療効果モニターリング
光装置を用いた乳がんイメージング
光イメージング (血液動態・生理代謝イメージング)
特徴
TRS
MRI
FDG PET
簡便性 × ×
サイズ
造影剤の使用
なし あり あり
被ばく なし なし あり
 光装置(DOS)は、生体に極めて低侵襲な近赤外線や赤色光を組織に照射することで乳がんの画像化を可能とし、外来やベッドサイドでの検査が可能です。この装置は光のスペクトラムの変化を分析して、その光の吸収の特性から、組織の酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、脂肪、水などの濃度を測定し画像化することができます。例えば、乳がんは周囲の正常組織と比べて、吸収が高いことが知られているため、病変部は赤いホットスポットで描出することが可能です。
がん腫瘍免疫と予後との相関について免疫組織学的研究
近年、悪性腫瘍では腫瘍細胞の性質のみでなく、周囲の微小環境も、癌の悪性度と関係があることが言われています。微小環境には、微小血管、リンパ管などの脈管の他に、炎症細胞やマクロファージ、線維芽細胞など様々な細胞の間質への浸潤も含まれ、他臓器では、マクロファージやリンパ球浸潤が予後因子となることも近年報告されています。
当院では病理診断科と協力して免疫染色(CD68など)を施行し、マクロファージの浸潤や繊維芽細胞の浸潤が予後と相関するかどうか検討しています。
竹内英樹先生が第15回(H27年度)日本癌治療学会研究奨励賞を受賞しました。
(研究テーマ)
A multicenter prospective study to evaluate bone fracture related to adjuvant anastrozolein Japanese postmenopausal women with breast cancer: two-year interim analysis of Saitama Breast Cancer Clinical Study Group (SBCCSG-06)
*研究奨励賞は,2001年に創設され,癌の治療に関する研究発表を奨励し,若手研究者を積極的に育成することを目的として,本法人機関誌「International Journal of Clinical Oncology (IJCO)」にOriginal Articleが掲載された40歳以下の会員に対して,授与するものである。
竹内英樹先生が第15回(H27年度)日本癌治療学会研究奨励賞を受賞しました。
(研究テーマ)
近赤外光スペクトロスコピーを用いた乳がん生体機能イメージングの臨床応用
第21回日本乳癌学会研究奨励賞を受賞して
(日本乳癌学会会報vol20. No.4より抜粋)
一瀬友希 先生:平成27年度日本臨床外科学会総会 講演発表 研修医優秀賞受賞
(演 題)
腋窩リンパ節転移を認めたDCISを伴うパジェット病の一例
一瀬友希先生 講演写真
貫井麻未先生:第13回日本乳癌学会関東地方会グランドキャンサーボードで、優秀演題賞を受賞しました。
(演 題)
再発乳腺血管肉腫に対してパクリタキセル+ジェムシタビン療法が奏効した一例
貫井麻未先生、優秀演題賞を受賞